自己肯定感は高めなくていい。*大切なのは「自己受容」と「自己許容感」の2つ。
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こんにちは。marina*(@NMarina422)です。
突然ですが、みなさんに質問です。
あなたは自分のことが大好きですか?
わたしは自分のこと、けっこう好きです^^
好きなことに寝食を忘れて熱中している自分…
会社の人の視線など気にせず、定時になったら即帰る自分…
「これ!」と決めたら意地でも譲らない自分…
そんな自分が大好きです。
こう言うと「あ〜自己肯定感が高い人なんだな〜」と思われた方も多いのではないでしょうか?
…でも、自己肯定感が高ければ、自分のことを好きになれるのでしょうか?
- 嫌なことや悲しいことがあってもポジティブに考える。
- 「わたしなら大丈夫。絶対にできる!」と自分に言い聞かせる。
- 先の見えない未来に「まあ、なんとかなるだろう」と前向きに考える。
(独断と偏見で)自己肯定感が高い人の特徴を挙げてみました。
どうでしょうか?
上記がすべてできるようになったら、あなたは自分のことを好きになれそうですか?
今回は、いまの自分が嫌いだったり、許せないと感じている人向けのメッセージです。
そもそも「自己肯定感」とは?
ここで、自己肯定感の意味をふりかえってみましょう。
試しにネットの辞書で調べてみました。
自己肯定
読み方:じここうてい
自らの存在意義や価値などに関する積極的な評価、自己評価することなどを指す表現。「自己否定」に対する語として用いられる場合を除けば、もっぱら「自己肯定感」の語として用いられる。自己肯定感は円滑なコミュニケーションや人間関係の構築などに大きな影響があるとされる。
読んで字のごとくですね。
一言でまとめるなら「自分の存在をポジティブに評価できること」ですね。
…ところが。
この「自己肯定」という言葉。
一見すると前向きでポジティブに聞こえますが、『嫌われる勇気』で有名となったアドラー心理学では、以下のように要約されています。
自己肯定とは、できもしないのに「わたしはできる」「わたしは強い」と、自らに暗示をかけることです。これは優越コンプレックスにも結びつく発想であり、自らに嘘をつく生き方であるともいえます。
〜中略〜
もっと分かりやすくいえば、60点の自分に「今回はたまたま運が悪かっただけで、ほんとうの自分は100点なんだ」と言い聞かせるのが自己肯定です。
引用:岸見一郎 古賀史健『嫌われる勇気』
そして、アドラーは「自己肯定」に対して、自身の著書で以下のようにも述べています。
どんなことでも成し遂げることができると感じる、という優越感を持つ人がいます。そのような人は、何でも知っており、何も学びたくない、と思っています。このような考えがどんな結果をもたらすかは明らかです。
このように感じる子どもは、大抵学校では成績が悪いのです。また、いつも非常に危険なことをしたい、と思っている人もいます。自分には何も起こらない、失敗するはずがない、と考えています。〔しかし〕ほとんどの場合、悪い結果となります。
引用:A・アドラー著『個人心理学講義 生きることの科学』
どうでしょうか?
自己肯定感、もとい自己肯定の意味が大きく覆されたのではないでしょうか?
なかには「自分にはできる!と思って挑戦したことが成功すれば、逆に自分を好きになるきっかけになるじゃないか!」と反論したくなる方もいらっしゃることでしょう。
ですが、それは大きな間違いです。
例えば、あなたが車で高速道路を走っている途中、突然うしろの車が激突してきました。
あなたの車は横転し、そのまま路側帯へと投げ出されます。
しかし、幸いにも大きなケガを負ったり命に別状はなく、助かることができました。
その結果、あなたは「わたしは運命か何かに守られていたんだ!」と感じられ、この経験をきっかけに何事もポジティブに考えられるようになりました。
そんな高速道路での事故から数か月後のこと。
あなたは仕事で大きなプロジェクトのリーダーを任されました。
その時、あなたは自信満々に思います。
「わたしなら大丈夫!絶対に成功させられる!」
そう思いながら、プロジェクトを着々と進めていきます。
ところが、プロジェクトは期待とは違ってさんざんな結果に。
上司や部下からは「気にすることはない」と励まされたものの、あなたはその経験から勇気と自信を無くしてしまい、うつ状態に追い込まれてしまいました。
毎日あなたは涙を流しながら思います。
「わたしには生きている価値などない」
「もう以前のような自分には二度と戻れない」
果たして、この状態で自己肯定感を高めて、あなたは自分を好きになれますか?
さすがに無理ですよね^^;
だって、自分には価値がないと思っている時点で、完全に自己肯定ではなく自己否定に陥ってしまっているんですから。
自己受容と自己許容感で、ありのままを受け入れる
では、自分を好きになるには、一体どうすればいいのでしょうか?
大事なことは2つ。
ひとつ目は、自己受容ができること。
ふたつ目は、自己許容感を高めること。
この2つができるようになると、あなたは自分に対する見方が変わります。
そして、少しずつ「わたし、意外と自分のこと好きかも?」と思える瞬間がやってきます^^*
自己受容とは?
ひと言でまとめると、「できない自分」をありのままに受け入れて、できないことに向かって前に進んでいくこと。
これが自己受容です。
60点の自分をそのまま60点として受け入れた上で、「100点に近づくにはどうしたらいいか」を考えるのが自己受容になります。
欠点のない人などいません。人は誰しも「向上したいと思う状況」にいる。逆にいうとこれは、100点満点の人間などひとりもいない、ということです。
〜中略〜
「変えられるもの」と「変えられないもの」を見極めるのです。 われわれは「なにが与えられているか」について、変えることはできません。しかし、「与えられたものをどう使うか」については、自分の力によって変えていくことができます。だったら、「変えられないもの」に注目するのではなく、「変えられるもの」に注目するしかないでしょう。
引用:岸見一郎 古賀史健『嫌われる勇気』
わたしたちは「わたし」という体、つまり容器を捨てることもできなければ、誰かと交換することもできません。
もし、あなたの右腕が生まれつき欠損していたとしましょう。
当然ながら「右腕がある体だったら、どんなに幸せだっただろうか」と悲観する出来事に直面することでしょう。
ですが、悲観したところで右腕のない体を交換することはできません。
それなら、右腕がない自分を受け入れて「この体を活かして何かできることはないだろうか?」と考える方が、自分を好きになれるきっかけになると思いませんか?
右腕がないことを活かして、 パラリンピックに参加するのもありです。
カウンセラーになって、自分と同じく体の一部を失った人の心のケアをするのも、大きな手段のひとつです。
大事なことは、「できない(できなかった)自分」を全力で受け入れてあげること。
できないことに対して「わたしはできる!」と、無理して勇気づける必要なんてないんです。
自己受容の前に、自己許容感を高めることが大切
そうは言っても、ありのままの自分を受け入れるには大きな勇気が伴います。
- 仕事でミスをして悲しんでいる自分
- 家族との関係がうまくいかなくて悩んでいる自分
- うつや適応障害になって働けないことを憎んでいる自分
- やりたいことがあっても言い訳して逃げてしまう自分
これらの自分に対して突然「はい!今から全力で受け入れてあげましょう!」なんて言われても、そう簡単にできる人はいません。
そこで重要になるのが「自己許容感」を高めることです。
「自己許容感」とは、わたしが勝手に作った用語です^^
簡単にまとめると、いま自分が抱いている感情や思いを認めて、「まぁ、こんなこともあるよね」と許してあげることです。
例えば、月曜日から仕事をがんばらなきゃいけないけれど、朝から体が重くて憂うつに感じている時。
まずは「あ〜…今わたしはしんどいんだな〜」と、憂うつな気分を認めてあげる。
その上で「まぁ月曜日のわたしって大体こんな感じだし、50%くらいの気持ちで乗り切れればいっか〜」と、許してあげる。
これが自己許容感です。
大切なのは、絶対に感じたことや思ったことを悲観したり責めたりしないこと。
「月曜日から気が緩んでちゃダメ!」とか「目の前のことから逃げてたら成長できない!」とか、自分の感情を抑圧したり律したりする必要はありません。
今この瞬間を生きている自分を好きになる
わたしも長い間、自分のことが好きになれなくて悩み続けていました。
「どうして他の人と違ってうまくできないんだろう?」
「なぜ自分には他の人より得意なことがないんだろう?」
「どうせ誰かの役に立てる力なんて自分にはないに決まってる」
学生時代から社会人になるまで、ずっとそう思いながら生きてきました。
でも、どうしたって「わたし」の代わりに生きてくれる人なんて世界中どこを探したっていないんです。
だったら、今この瞬間を生きている自分を好きになって、やりたいことに夢中になっている方が、よっぽど幸せで充実した人生になるんじゃないかな?と思います。
今すぐ自分のことが好きになれなくたっていいんです。
まずは、自分を好きになれない自分を許してあげること。
そこからスタートしたって、全然いいんです。
もし、この記事を読んで自分のことが好きになれなくて悩んでいる方、気軽にTwitterのDMやブログの方にメッセージを送ってください。
あなたが抱えている悩みや不安、わたしがすべて受け止めます。
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